大切な革靴には、絶対に入れおきたいシューキーパーですが、何を買ったらいいかわからない人も多いと思います。
わたしは過去百貨店業界にいたこともあり、仕事柄たくさんのシューキーパーを試してきましたが、一番のおすすめは「コルドヌリアングレーズ」という結論です。

今回は、シューキーパーの選び方や、コルドヌリアングレーズの特徴、フィットする革靴ブランドなどをレビューしていきます。
- シューキーパーのサイズ感や、選び方が知りたい
- どのシューキーパーを買ったらいいか迷っている
- コルドヌリアングレーズのシューツリーはどんな靴に合う?
シューキーパー(シューツリー)とは?
シューキーパー(シューツリー)とは、靴を保管するとき内部に入れておくことで、かたちを維持し、長持ちさせることができるケア用品です。
シューキーパーとシューツリーの違い
シューキーパーはシューツリーとも呼ばれますが、大きな違いはなく、シューキーパーは総称を指し、そのうち木製のものをシューツリーといいます。
シューキーパーの効果
シューキーパーを革靴に入れる効果はおもに3つあります。
シューキーパーの効果
- 「靴を長持ちさせる」
- 「かたちを整える」
- 「湿気をとる」
しっかりと履きシワをとって、シワからヒビが入るのをふせぎます。
ソールの反り上がりをふせぎ、靴本来のかたちを保ちます。
木製シューツリーには湿気をとる効果のほか、消臭、抗菌効果もあります。
シューキーパー使い方
基本的には、靴を脱いだ後すぐにシューキーパーを入れたほうがよいでしょう。
というのも、靴のなかの汗が蒸発するときに、革靴は反りあがって変形してしまうので、早めに入れておくほうが望ましいわけです。
シューキーパーの選び方
シューキーパーと一口にいっても、たくさんのブランドが、様々なかたちを展開しているので、何を選んでいいか迷うところだと思います。
基本的に、自分が履いている革靴ブランドの純正シューキーパーを選べば間違いないですが、選び方の基本を知っておくことも重要です。
サイズ
サイズ選びは最も重要なポイントですが、革靴と同じサイズを選ぶようにしてください。
サイズが小さすぎると靴全体にテンションがかからないので意味がありませんし、大きすぎると無駄に革が伸びてしまう原因になりかねません。
とはいえ、もし手持ちの靴とシューキーパーのサイズが合わなければ、ハーフサイズ大きめを選ぶことをおすすめします。
形状
履き口から甲の部分、ボールジョイント、先端のトゥまで全体のシワが伸びるよう足形のシューキーパーが望ましいです。
しっかり甲が盛り上がっていて、つま先が先割れしている立体的なスプリッドタイプを選んで、靴全体にまんべんなくストレッチがかかるようにしましょう。

タイプ
シューキーパーのタイプは大きく3つあります。
チューブ式
シューキーパーの前と後ろのパーツが金属のバネでつながったタイプで、靴に入れるだけで自動的にサイズ調節してくれるので楽です。
1本の金属でつながったものをシングルチューブ、2本の金属でつながったものをダブルチューブと呼びます。
シングルチューブのシューツリー

ダブルチューブのシューツリー

バネ2本のほうが均等にテンションがかかるので、どちらかというとダブルチューブのほうが優れていることになります。
チューブ式タイプはストレッチする力が強いので、イギリス靴に多いグッドイヤーウェルト製法のような、革が厚く堅牢なつくりの靴におすすめです。
ネジ式
ネジをまわすことで前後のパーツ幅を動かし、全長のサイズ調整を行うタイプなので、靴に入れるときひと手間かかります。

チューブ式よりも繊細にサイズ調整を行うことができますが、シワを伸ばす力はチューブ式に劣ります。
そのため、マッケイ製法でつくられた柔らかい革のイタリア靴なんかにおすすめのシューキーパーです。
バネ式(スプリング式)
バネのパーツが大きく露出した100円ショップで売っているような安価なシューキーパーです。

安さがウリですが、フリーサイズのため縦方向に極端なストレッチがかかるうえ、履き口まわりやボールジョイント部分にはストレッチがかからないという弱点があります。
これではお金を無駄にしてしまうだけでなく、靴そのものをダメにするおそれがあるので注意が必要です。
素材
素材には木製と、プラスチック製の2種類がありますが、断然木製がおすすめです。
木製はブナ、ライム、シダー、カバの素材が一般的ですが、湿気を吸収する効果のほか、抗菌、防カビ、消臭効果も見込めます。
対して、プラスチックは安くて軽いので扱いやすいのですが、吸水性がないだけでなく、素材が固く、ライナーを痛める恐れもあるので、長期間の使用には向きません。

おすすめシューキーパーは「コルドヌリアングレーズ」のシューツリー
こんな感じでシューキーパーを選んでいくと、やっぱりわたしのおすすめは「コルドヌリアングレーズ」になります。
そもそも、コルドヌリアングレーズはどんなブランドで、どんな特徴があるのか?というところを説明していきます。
コルドヌリアングレーズとは
「イギリスの靴商」を意味するコルドヌリアングレーズは、パーフェクタ社がつくるフランスの老舗シューツリーブランドです。
なぜフランスなのに、イギリス?となるかもしれませんが、1885年の創業当時からフランスでも英国紳士が着こなすイギリス靴はイケていたんです。
パーフェクタ社は、ずっとヨーロッパの高級シューズメーカーの木型をつくっていましたが、その技術を応用し、コルドヌリアングレーズのシューツリーをはじめたというわけです。
コルドヌリアングレーズは、1万円を超える高級シューツリーですが、一生履きたい大切な靴をケアするものだからこそ選ばれているんですね。
コルドヌリアングレーズにフィットする靴
コルドヌリアングレーズのやや細身のシューツリーは、ヨーロッパ系(特にイギリス)の革靴と好相性です。
手持ちの靴がヨーロッパ系のブランドの場合、かなりの確率でフィットするんじゃないかと思います。
コルドヌリアングレーズにフィットするブランド例
- クロケット&ジョーンズ
- チャーチ
- エドワードグリーン
- ジョンロブ
- パラブーツ
コルドヌリアングレーズのサイズ展開
全8サイズですが、40~44サイズまでは0.5cmピッチ展開なので、自分の靴と同じサイズを選びやすいと思います。
コルドヌリアングレーズのサイズ表
- 38(23.0~24.0cm)
- 39(24.0~25.0cm)
- 40(25.0~25.5cm)
- 41(26.0~26.5cm)
- 42(26.5~27.0cm)
- 43(27.0~27.5cm)
- 44(28.0~28.5cm)
- 45(29.0~30.0cm)
わたしは足のサイズが小さく実寸24.5cmなので、39(24.0~25.0cm)サイズのシューツリーを使っていますが、ピッタリです。
コルドヌリアングレーズの種類
コルドヌリアングレーズのシューツリーは、靴のつくりや、形状によって推奨される型番が異なりますが、代表的な型番を紹介していきます。
FA85S
つま先部分がスプリッドタイプのツインチューブ式で、靴のかたちに合わせてフィットする汎用性が魅力です。
グッドイヤー製法の靴に最適のモデルで、わたしも「FA85S」を使っています。
EM500E
「EM500E」は、つま先部分の幅と高さを絞り込んだフォルムで、ロングノーズのイタリア靴におすすめです。
EMFA85CH
ネジ式なので、柔らかいソフトレザーの靴やマッケイ製法の靴におすすめのモデルです。
「EMFA85CH」は、イタリア製などの繊細な靴におすすめですね。
EM111S
「EM111S」は、ブーツ専用シューツリーで、高さのある履き口までケアできます。
コルドヌリアングレーズのシューツリー「FA85S」のレビュー
では、わたしが愛用しているコルドヌリアングレーズの「FA85S」をレビューしていきます。
靴全体にかかるテンション
ツインチューブの先割れタイプなので、縦、横、上の全方向に安定したテンションをかけられます。

履き口、甲、ボールジョイント、トゥと、まんべんなくシワが伸ばせるので、やはりツインチューブの先割れタイプが理想的ですね。
汎用的に使える木型
世界中の高級靴メーカーの木型を生産してきたノウハウはさすがで、ロングノーズや、幅広な靴以外はぴったりはまります。

幅広いかたちの様々なブランドの靴に、使いまわしがきく汎用モデルなので、むしろコスパが高いんじゃないかと思います。
フランス産ブナ材
木材は、政府機関の基準を満たした安全性の高いフランス産ブナ材のみを使用しています。
堅牢で高級家具にも使われている上質なブナ材なので、一生モノのシューツリーになること間違いなしです。

特殊な水溶性ニス
表面は吸湿性を損なわない程度に特殊な水溶性ニスでコーティングされているので、汚れや経年劣化も防ぎます。
職人が一つずつ丁寧に手仕上げすることで、ひび割れやささくれも起きにくいんです。
通気性
木材そのものの吸湿性だけでなく、シューツリーの上部から底まで通気孔があいており、空気が循環する工夫もされています。

真鍮の金具
金具には真鍮が使用されており、見た目の高級感だけでなく、強度が高く、バネの稼働も滑らかになります。

コルドヌリアングレーズのシューツリーのサイズ感
わたしのコルドヌリアングレーズのシューツリーを、手持ちの「クロケット&ジョーンズ」と「チャーチ」の革靴にあわせながら、サイズ感やフィッティングをみていきましょう。
せっかくなので、コルドヌリアングレーズと同じサイズのノーブランドツリーと比較しながら、フィッティングの違いも確認します。

なお、わたしの足のサイズ=革靴のサイズは、24.5cmなので、コルドヌリアングレーズは「39サイズ(24.0-25.0cm)」を使用しています。
クロケット&ジョーンズ「Westfield」(5h/Eウィズ)
まずは、コルドヌリアングレーズのシューツリー「39」サイズに対して、クロケット&ジョーンズ「Westfield」の「5h(Eウィズ)」を合わせてみます。
コルドヌリアングレーズのシューツリー


履き口はまさにジャスト、甲の高さもほとんど隙間がないので、クロケット&ジョーンズとの相性は抜群だと思います。
ノーブランドのシューツリー


対して、ノーブランドのシューツリーは、履き口の横部分と甲の部分に隙間ができてしまうので、あまりよいフィッティングとはいえません。
チャーチ「Diplomat」(55/Fウィズ)
次に、コルドヌリアングレーズのシューツリー「39」サイズに対して、チャーチ「Diplomat」の「55(Fウィズ)」を合わせてみます。
コルドヌリアングレーズのシューツリー


履き口部分は若干の隙間がありますが、甲の高さはジャストなので、チャーチとの相性も十分よいといえますね。
クロケット&ジョーンズと比較しても、同じく高いレベルのフィッティングだと思います。
ノーブランドのシューツリー


対して、ノーブランドのシューツリーは、特に甲の部分にけっこうな隙間ができてしまうのでこれではちょっと不安です。
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「シューキーパー」おすすめの「コルドヌリアングレーズ」レビューまとめ
- 手持ちの靴がグッドイヤー製法なら「チューブ式」、マッケイ製法なら「ネジ式」を選ぶ
- コルドヌリアングレーズのシューツリーは、ヨーロッパ系の靴に汎用的に使える
- 特に、「クロケット&ジョーンズ」と「チャーチ」の革靴には相性抜群なのでおすすめ



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